2011-01-01から1年間の記事一覧

「CIA秘録:その誕生から今日まで」T. ワイナー著藤田他訳(文藝春秋社)

CIAが誕生から今日まで如何に秘密工作に奔走し、その多くは失敗に終わった、ということを余すことなく描いた問題の書。SFとは異なり官僚的スパイ組織の宿命なのか、多くの失敗はある種の必然を伴っており、それが改善されることなく、最近のイラク侵攻のきか…

「ブラックホールを見つけた男」A.I.ミラー、阪本芳久訳(草思社)

1983年にノーベル物理学賞を受賞したチャンドラセカールの評伝。白色矮星の質量限界を示した彼の業績に対して、本題が適切かどうかについては疑問も湧くであろうが、原題がThe empire of the stars: friendship, obsession and betrayal in the quest for bl…

恒例の読書アンケート(みすず)

Unifying Concepts in Glassy Physics V

Institut Henri Poincare in Paris December 12-16, 2011 UCGPは第一回をトリエステで行ったのを皮切りに前回(2008年)が京都、今回が5回目となった。前週の日仏セミナーとは異なり世界各国から錚々たるメンバーが集まり登録参加者も120名以上とぐっと大きな…

French-Japanese meeting on Jamming, Glasses and Phase transitions

Institut Henri Poincare in Paris December 7-10, 2011 この日仏セミナーは遥か昔、おそらく20世紀にスピングラスの実験で有名な都先生等のご尽力で始まったと伝え聞いている。私の参加は2005年のパリの会議からであり、2008年の京都を経て6年ぶりにパリに…

ISCS2011

International Symposium on Complex Systems 2011 -Perspective on the legacy of Torahiko Terada- に参加した。この国際会議は寺田寅彦が播いた種が現代でどのように結実したかを知らしめる会議であるが、同時に寺田物理の後継者を自認する松下貢さんが中…

物性研究編集後記

行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。(鴨長明、方丈記) 現行の物性研究の発行が来年3月に終わるので、編集後記を書くのはこれが最後であろう。何時もは30分程で書き上…

学振

応募で基研教員を受け入れにする場合には、1.4月18日までに申請書を総務に提出。2.5月6日までに申請書情報を入力3.5月13日に書類提出です。と3段階の〆切が設定されている事に注意。

他人事

ながら公募情報が出ている。例えば京大次世代研究者育成センター 「白眉プロジェクト」 【特定有期雇用教職員】 特定准教授または特定助教とか、京大人環物性理論准教授とか。後者は古巣である。

地震と原発事故

については日々緊張を強いられているが、ここに改めて新しい事を記載するに及ばないだろう。早く終息し、昔通りの生活が戻る事を切に望んでいる。

論文

を幾つか投稿した。その中で、私が単著で投稿したこの論文は量子ゆらぎの定理と久保公式を繋げる論文である。その他、ここに幾つかの論文がある。このうち齊藤君とのTDGL方程式を導出した論文は粉体でもここまで出来たかと感慨深い論文になった。また大槻さ…

新メンバー

も例年になく多く参入した。沙川さんは白眉特定助教として我々のグループに入った超強力新人である。基研全体でも期待は大きく、今日、所長に挨拶した際にお披露目はコロキウムが良いだろうという話になった程である。またフランスに行くまでの半年だけだが…

新年度

ということで久しぶりに更新しよう。4月から変わった事と言えば、まずProgress of Theoretical Physicsの編集長になったことである。PTPと言えば、湯川秀樹が創設し、朝永振一郎と小林・益川のノーベル賞論文を生みだした伝統ある雑誌である。その一方で、…

どうやら

漏洩されたのは京大だけではないようである。2月8日には同志社、12日には立教も対象になったようだ。

京大2次試験

の試験中に問題の漏洩があった。文系数学全問と英語2問の解答をYahooの掲示板に聞き、それに対して試験中に解答があったことになる。掲示板への投稿は数学、英語とも試験開始後間もなく(7分後)であり、数学の場合はかなり長い時間に渡って投稿が行われてい…