2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「散逸粒子系の力学」

の第2刷出ました。

プロジェクトX

がひどいことになっている。昔の公開日記に書いたと思うが、実に無茶苦茶な番組である。すぐ気がついた例は自動改札がラッシュの緩和に役立つとしてJR東日本が開発したという嘘話である。自動改札は1970年頃に(確か)近鉄で導入されて首都圏では長くラッシ…

揺らぎの定理

の講義ノートをアップ。識者にコメントを望む。といってもEvans & SearlesのReviewを噛み砕いて不要部分を削除しただけなので何も来ないか。やはり気になるのはJarzynski等式がergodically consistentなものではない事だろう。だがどこでそうなったのかがよ…

西野君の原稿

だいぶ形になってすっきりしてきた。これなら諸々の難点をくぐり抜けて受理されるかもしれない。

湯川、朝永100年

今年がEinsteinの奇跡の年から100年(没後50年)かと思ったら来年は湯川・朝永100年だそうだ。それで基研での研究会開催を申請しようという話が舞い込んで来た。〆切は今日だそうだ。どうなることやら。

授業

どうも気が入っていなかった。

Jarzynski

に関して言えばCohenの批判が的を外しているのは数学的に攻めたからであろう。物理的に問題がないかと言えば熱浴とのカップリングはあれでいいのかなどに多少議論の余地があると感じる。Cohenは力学的に第2法則(もどき)が導出できてしまったので否定した…

揺らぎの定理から久保公式

の導出は極めて簡単であることを確認してノートに打ち込む。Fluctuation Theoremは講義ネタとして手頃である。実際、証明が易しく、最近のトピックスであり、それなりに適用範囲があって、まだ考える余地があるという点でそう実感する。

自分の論文

はPhysica Dに出版されたがやっぱり妙だ。うーん。

授業

準備に時間をかけたので昨年みたいに沈没することはなかった。Cohenの反論は言いがかりにしか聞こえないというコメントがあった。実際に、熱浴と相互作用する小さい系を足した全系を孤立系にするというのはそんなに簡単ではないと感じる。魔法瓶の中に液体で…

非平衡統計

Jarzynski等式をめぐる議論を簡単にまとめる。泥船が沈むかもしれんな。Fluctuation Theorem(FT)の証明は書き終える。FTからのGreen-Kubo公式の導出はちょっと考える必要がある。さて残り一月の講義プランをどうするか。

光藤君は

学振の研究計画に繰り込み群的考え方に基づきASEPの解析を行う旨を書いた。その準備。DMRGの使用が自然だろう。非自明な解があるかどうかにかかっている。

DEM

どうも今のコードでは床が局所的に変形しないので、重力を受けながら転がった球が壁なり、他の球にぶつかると不都合が生じる。床の変形モデルは(コードが重くなることを除けば)容易なので、そこを直すことにした。空中に浮いている場合はOK,球同士の衝突も…

西野君の論文

彼の論文の初稿を見る。学会での評判は上々だったが、実は受理されるように書くのが非常に難しい題材である。まず第一にSST論文はこの世に存在しないので、その批判はまず受け入れられない。また彼らの接続の議論はあまりにも稚拙すぎて批判の対象にならない…

安定性

ノートはまだまだ。整理されても基本的状況は変わらない。(最低次で充たされる)非圧縮を高次でも仮定できたら、と思うが、それでは納得せんだろうな。

田中ダン君のセミナー

4部構成で2時間ほど話して貰ってよく分かった。第1部は寺前君との共同研究に基づき、ノイズが秩序を作る話。きれない解析だが今一歩具体性を欠いている印象。第2部は学位論文の主題で何回か聞いているNikolaiev乱流の縮約を反応拡散系をベースに議論する話。…

安定性

今日は時間があったので安定性のTexのノートの作成を試みる。勿論煮詰まっている状態からの脱却を目指して整理するためでもあるが、いい加減まとめておく必要もあったからである。式を50程打ち込んで半分程度。見通しがよくなるかな。

国際会議の案内

ここに貼ってどうなるものでもないが10月の3-7日に西宮及び京都で西宮-湯川記念シンポジウムが開かれます。詳細はここを参照して、奮ってご参加下さい。

セミナー

数理研での流体セミナーでの発表。専ら藤さんが質問し、大木谷さんがちょっと質問するという感じで、他の聴衆は静かだった。無難に発表したという感じである。あまり緊張する場面はなかったが、部屋に戻るとやはり疲れている。

授業

特筆すべきことなし。惑星運動に入った。今日配ったレポートに円錐曲線の問題を出さなかったのは失敗だったかも。テストを期間外にするかどうか。一応ドイツから戻っている予定がきついかな。

岡潔

先日紹介したエッセイ集(高校時代に愛読したもの)には岡潔の文章も載せられている。彼は尋常ならざる集中力と奇行でも知られているが、それを正当化?するように「すみれの言葉」という小文では、奇行の数々は前頭葉を関与させずに判断することができない訓…

名大多元数理の新聞沙汰

あれあれ何と信じられないこと。名大多元数理と言えば知る人ぞ知る一元数理(純粋数学の牙城)。もともとは四方さんがいろいろな分野からいろいろな人を集めてきたのだがその反動で純粋指向が極めて強い処として知られている。それだけでなくてここ1,2年で解…

間違い

何だ、私の論文が間違っていたという論文の論拠は間違っていた。おかしいと思って検算すると簡単に間違いに気がつくのに。他の箇所は面白いのに残念。ということでレフェリーのレポートをあらかた書く。どうも著者は私の論文のVer.1のmisleadingな書き方に幻…

山本宣治

と言えば昭和の初期(1929)に暗殺された労農党の議員として知られている。しかし彼は京大の生物の先生(教授?)だったことはあまり知られていないだろう。先日、工学舎から出ていた日本の科学精神という科学エッセイ集を眺めていたら、彼の「電車の進化」とい…

Elsevier

だいぶ前にPhysica Dの編集長(蔵本さん)への用事のついでにElsevierの人が訪問して来たが、その折に本を書くかどうかという話になっていた。その後、book proposalを書かされて、更にrefereesを6人紹介しろと言われたので無視していたが、今日また督促のメ…

セミナーの準備

来週の月曜のセミナー講演の準備をする。特に新しい話はしない予定。はっきりした線形安定性が議論できないのは実に困ったことだ。

講義

Boltzmann方程式での久保公式とKac's ring modelを含めた不可逆性の議論再考。前回出した線形Boltzmann方程式の固有値の非正性の証明とBGK方程式の輸送係数の決定の課題をこなしている人が多いのに驚いた(ヒントは与えたが)。聴講生のレベルが高い印象。去…

Granular shear

Transientを除くと境界層だけが流れた状態になり、全然流体っぽくない。流体っぽくするためthermostatに相当するものはバルクにつけているのに予想外(thermostatなしなら当然かも)。御手洗さんの話では気体論はあんなにうまくいっていたのに何故だ。

講義ノート作成

Fluctuation Theoremの証明に関する講義ノートを作成。まだ80%。6月10日くらいになりそうだ。熱浴の話で半分近くになってしまった。Loschmidtパラドックスの絡みなので時間反転対称な熱浴(Nose-Hoover)を仮定した議論を紹介する予定。純力学的にはこう…

Fluctuation Theorem

のEvansによる証明は結構熱浴の性質を使っている。熱浴がないと何も起こらないし。そう考えるとcontactの問題はNose-Hoover熱浴をつけておいた方がアピーリングだったかも。現実には熱の影響はあり得ないのだが。