西野君の論文

彼の論文の初稿を見る。学会での評判は上々だったが、実は受理されるように書くのが非常に難しい題材である。まず第一にSST論文はこの世に存在しないので、その批判はまず受け入れられない。また彼らの接続の議論はあまりにも稚拙すぎて批判の対象にならない。(この種のレフェリーの反応は金君と僕は散々味合ってきた)。次に境界層解析では曾根、青木グループを始め世界的に我々より進んだグループはある。勿論、我々の考え方は素直で分かりやすいがそれだけで審査が通る程甘くない。またDSMCではなくMDを行う必然性も問われるかもしれない。しかし非平衡Knudsen効果のMDは初めての事なので、そこをうまく強調すれば受け入れられる可能性がある。なかなか難しい。