田中ダン君のセミナー

4部構成で2時間ほど話して貰ってよく分かった。第1部は寺前君との共同研究に基づき、ノイズが秩序を作る話。きれない解析だが今一歩具体性を欠いている印象。第2部は学位論文の主題で何回か聞いているNikolaiev乱流の縮約を反応拡散系をベースに議論する話。いつも飛ばされる細かい点まで追求したのでよく分かった。相図のあたりでいつもスピードアップして聴衆を置き去りにしていたからね。TuringとBF不安定が競合した系の解析という視点は今まで欠けていたかもしれない。非常によくまとまった話。第3部はN-乱流方程式がεというパラメータを含むがそのパラメータでスケールした振幅方程式はどうなるか、という点で業界では混乱した状況にあったものを彼が解決した話。専門家向けの渋い話。第4部はN-方程式の高次元化とその縮約についての準備的な解析。藤坂さんのグループと競合しているようだが、まだどちらが正しいとも間違っているとも言い難い状況。今後に期待したい。