2010-12-18から1日間の記事一覧

結城浩著「数学ガール(1-3)」

学問のプロから中学生迄喜ばせる啓蒙書を書くことは常識的には不可能であるが、それをやってのけた稀有の書がこれである。学園ロマンス物の舞台設定もうまく、説明も簡潔にして要を得ているばかりか、論理と説明に穴は見つからない。評者が特に感心したのは…

グレアム・ファーメロ著吉田三知世訳「量子の海、ディラックの深淵」

The strange man The hidden life of Paul Dirac, Quantum genius 原題の方が簡潔にして要を得ている。天才にして寡黙な変人ディラックの逸話は広く人口に膾炙しているが、その実像に踏み込んだ本は寡聞にして知らなかった。本書はディラックの生い立ち、家…