数理科学

の原稿がようやく形になってきた。シュレディンガー1924年と26年の論文で正しくない議論をしていたが、1946年の教科書では同じ方法論を用いて正しい結果を分かりやすく説明している。特に彼が1924年に間違えたギブスのパラドックスを中心に据えよう。多体系の量子力学を使えばパラドックスがないという説明は良く見るが、シュレディンガー風に教科書に書いてあるような理想気体統計力学を展開して古典極限を取って計算したエントロピーと、古典気体のエントロピーの差がlog N!になることを丁寧に説明している教科書はあまりないのではないか。