論文

アーカイブでの公開。この論文のもとの構想はずっと前からMDで温度スケールをしてせん断をかけることに強い違和感を抱いていたことに由来する。もう少し具体化してきたのはKumaranの去年の論文を読んで、せん断粉体と同様に温度が上昇する系では特異な早い緩和があるのではないかと思った時点で大槻君がこちらに来て、素早い初動で話を立ち上げた時である。大体連休の段階で骨格は出来ていたが、いろいろと細かい点を理論的数値的に詰めるのに時間がかかった。また論文をどのように発表するのかでも二転三転して結局レターとしてまとめることになった。内容については最後の段階でも取捨選択があり、説明が必要な非自明な結果をカットして次のregular paper用に残した。論文は全体としてすっきりしており、せん断粉体は通常のisothermal sheared fluidと何ら変わらないという当初予想しなかった結果になった。(温度上昇する流体は違うクラスに入る)。

 因みにKumaranによるとコロイド実験では速度相関のdecayはかなり早いとのことである。論文で課した条件がきつすぎるのでそこからこぼれている可能性がある。また速攻で大槻さんにセミナー依頼が来た。