粘性発熱

がキーの一つか。通常の系では粘性発熱は無視することが多いが、MDで粒子が見えるような小さな系で速度勾配が大きな系では発熱は不可避である。エネルギー保存系ではそれを回避するために様々な策を弄するが、粉体系では衝突によって散逸するので定常化する。そのような粉体ガス系では一般に単純剪断流状態は不安定だがある程度小さな系ではそれが実現することもあり、バルクで熱伝導が無視できる状態が実現すればバグノルドになるだろう、というのが現状での理解である。しかしそのとき速度勾配は一定で、等密度、等温系であるから、一見するとニュートン流体にしか見えないというのも味噌。そこでニュートン流体の定義が問題になる訳である。

粉体ガスでは境界での表面状態をいじることで「熱浴の温度」をコントロールすることができる。しかし熱伝導がきかないバルクが実現すると境界「熱浴」の温度はバルクには運ばれない。境界「熱浴」の温度とバルクで決まる温度に差があると単純剪断流状態は維持できない。