「戦前の政党政治―二大政党制はなぜ挫折したか」(筒井清忠著:筑摩書房)

総選挙の結果、尚更、本書で描く世界は驚く程、現在と類似していると意識させられた。その類似性は漠然と皆が思っていただろうが、丹念に昭和初期に起こった事実を積み上げて説得力のある好著になった。本書は原敬の暗殺から始まるが、原敬の時代は「帝都復興の時代」(中公新書)に書かれている。併せて読む事で閉塞した現代の状況から抜け出す道が見えるかもしれない。