イタリア

レッジョ・カラブリアでのJoint IUTAM-ISIMM Symposium on Mathematical Modeling and Physical Instances of Granular Flowsに参加して発表してきた。イタリアの踵は行ったことがあったが爪先は初めてであった。天気は途中嵐みたいな日もあったがまずまずで、特に当初プログラムが組まれていて急遽向こうに行った後に変更でプログラムがなくなった金曜は夏のようであった。

 参加者の顔触れは御馴染みが多く、先月までの京都の研究会の参加者も少なからずいた。特別大事な発見や進展があったという訳ではないが、少数の参加者がほぼ閉じた環境で一緒にいるために参加者同士の親睦と情報交換は深まったと思う。(特にOrpeは妙に懐いていた)。以下は覚書。

  • 自分の発表はとても学生に見せられない。時間配分の失敗があった。内容が多いかと思ったが前日眠い中で練習したら余裕がありそうだったのでイントロを厚くして墓穴を掘った。初期条件に関する質問が多く、講演後Goldhirschにはマンツーマンで誤解を解く説明を長々とすることになった。
  • 講演で多かったのがCosserat theory (micropolar mechanics)だったのだが、その多くの講演は応用数学的興味でなされた研究で物理的動機付けが不十分かつ説明が下手で聴くのが辛かった。これは昔Cosserat theoryの論文を書いた身として反省材料である。
  • 純粋に面白さだけで特筆すべき講演を挙げると、Blooming sandのVriendと斜面流での偏析の実験と簡単なモデル解析を行ったGrayのものだろう。
  • Rafi Blumenfeldが2月に日本に来て、京都に訪れるとのこと。彼の見事な静力学理論を真面目に勉強して共同研究まで発展できたらと思う。彼は勿論のことfrictionless granular particlesは無意味であるという立場である。大体frictionlessの話が終わりつつある現在、同意せざるを得ない。
  • Ludingとelastic limitでの粘性率、圧力の発散について議論。我々との間で合意は得られつつある。大槻さんとの理論は驚く程うまくいっている。
  • ロシア人学生との共同研究に関連してRosatoやPoeschelに幾つか質問しつつ説明したが、かなり評判が良かった。対応するPoeschelのシミュレーションも見せて貰ったが面白い。
  • イタリア南部ということで時間スケールが間延びしていた。プログラムでは2時間が昼食に当てられていたが、あまりにも食事が出るのが遅くて常に時間との戦いだった。バンケットと打ち上げのディナーは何れも日付が変わるまで続いた。
  • Jenkinsはこの機会に大勢いる国際共同研究者と真剣に議論していたのが印象的。
  • 西森さんが会議の後にETHに寄ると聞いて、僕もHans Herrmannに連絡を取った。その結果、11月24日に訪問の上でセミナーをする予約が取れた。もともとZurich経由でKonstanzから直接Frankfultに行くのはしんどいと思っていただけに一石二鳥であった。