正月

は長男を連れて帰省。次男と嫁は受験勉強のため京都にいた。仕事は12月の続きが遅々として進まず、といったところ。移動時間等で何冊も本を読んだが、その中でグナル・ハインゾーンの「自爆する若者たち:人口学が警告する驚愕の未来」(新潮選書)が秀逸。若者の余剰人口帯であるユース・バジルに着目し、そのユースバジルが存在する文明が須らく暴力的・膨張的になるということを指摘している。例えばハチントンの「文明の衝突」等で論じられていた異文明間の衝突はむしろユースバジルを持った文明と成熟した文明間の摩擦だとしている。年少人口の多寡と内戦や虐殺、テロの有無を関連ずけた表があり、日本はそういうものと無関係かなと思ったが、所謂団塊の世代赤軍派を生み、世界で恐れられていたことが指摘されていた。やや単純化しているきらいもあるが、面白い視点でかつ、それなりの説得力を持った議論を展開している。しかし中国の三国時代のように暴力的でかつ人口の少なかった時代をどう捉えるのであろうか。