名大集中講義(26-28)

をしてきた。

26日に名大の地下鉄の駅に降りたらちょうど当日午前まで集中講義をしていた伊藤伸泰氏と遭遇した。渡辺君が伊藤氏を送っているところであり、その後、彼と一緒に講義室に向かった。


講義は1日目に全体のサーベイ、Jarzynski equality, Fluctuation theoremとそのJarzynskiとの関係。2日目に外場のあるときのFluctuation theorem, 線形応答理論の導出と気体運動論の概略。その午後は談話会で衝突の話。3日目の午前に気体論を用いた熱伝導問題、特に接続箇所での温度ギャップの話。それから粉体ガス運動論のさわり。3日目の午後は粉体流のレオロジー(Bagnold scaling, Hatano's law, 気体論でのBagnold則の破綻)という構成であった。Fluctuation theorem関係はかなり質問もあったが、レオロジーあたりは聴く方も疲れていたようだった。それでもホストの上羽さん以外のスタッフ(渡辺さん、平島さん、紺谷さん、小西さんあたり)もかなり長い時間出席して下さり、幾つかコメントを頂いたのは有り難かった。また1,2日目にはR研の学生が、3日目には核融合研の学生がかなりつっこんだ質問をしていた。


構成と内容の一貫性については考えたつもりだったが、現実には前半と後半の繋がりが今ひとつになってしまった。これはBoltzmannをキーにして分子気体、それから粉体気体も扱えるとして、更にレオロジーに繋げるという意図があったのだが、Enksogとか非弾性系の煩雑な計算を飛ばしたのでそれぞれが全く別のものに見えてしまったのは無理からぬところであった。前半のFluctuation theoremに関する話題についても、講師の不理解と設定・条件の分かりにくさが混乱を招いた点は否めない。またオーソドックスな流れを敢えて崩したのもよくなかったと反省。