高校のカリキュラム

について高校の先生に教えて頂く。今の高3から新カリキュラムに則って勉強しており、昨年末には泊まり込みでどう対応するかという会議まで行った。間抜けといえば間抜けなのだが、迂闊にも高校物理の現状を把握していなかった。今の高校物理は電流から始まり、最初に出てくる単位がワット、すなわち仕事率が導入部でいきなり出てくる。次は波で干渉等を論じて、後半になってやっと力学が現れる。ということはニュートンの三法則を知らないのもむべなるかな、である。来年度にはこうした教育を受け、思考形態や考え方の全く異なる人種が大学に入学してくることになる。私から見るとこの新カリキュラムは物理の破壊でしかなく、系統的に物理学を学ぶということは殆ど不可能になっているように思える。もともと意図的に数学と物理は断絶されてきたのだが、今や高校の物理は論理や積み上げを拒否した構成になっているとしか思えず、高校生の目には数学と物理は全く別の科目としか映らないであろう。何を考えてこのような破壊的なカリキュラムを文部科学省は推進したのだろうか。理解に苦しむ。ある意味で2002年の小学校でのカリキュラム改悪以上に衝撃的な破壊活動ではなかろうか。(昨年末の会議で再三話題になっていたが)来年度の新入生の教育は大変であろう。