ハヤカワの「物理ち数学の不思議な関係」(On the shoulder of giants)

を読む。うまくまとまっている。こういう本を読むと、普段研究していることに如何にアイデアがなく、数学と切り離されているかと実感する。粉体にしる、運動論にしろ、現実に近い現象には普遍性がない場合が多い。勿論、ここ10年の粉体に関する理論の進展は目を見張るものがあるが、一歩下がってみると何もないように見えるのは仕方がないであろう。しかし粉体に関しては10年間と違って、実験、シミュレーションが先行して理論がない状況は終わり、三者が共同歩調で進んでいるので、そのうちにブレークスルーがあるかもしれない。さてブレークスルーはどういう形で生じるか、それは分からない。いずれにしてもElservierに本を書くタイミングとしては実によい。