昼食会

でCohen等の論文紹介に関して無責任な発表をする。Cohen等の主張はおかしいからおかしいというもの以外ではなく、いささかも論理的ではないが、Jarzynski等式のように「熱力学」が力学的に導出できることには感覚的なミスマッチを感じるのも事実である。もっとはっきり言えば、J equalityではパスがユニークに決まると仮定しているが、熱で揺らぐ世界ではそれはないと思う（平衡に近い状態なら問題はないだろうけど）。熱浴との接触を時刻ゼロで除去するというのも許されないと思う。久保の論文のようにそういう操作は時刻をマイナス∞にもっていく必要があるが、そこからの初期の発展は力学の埒外だという印象を持つ。まあ根拠はない訳であるが、Fluctutation theoremの提唱者がいずれもJ equalityに批判的だというのはよく理解できる。(FTからJ equalityが導出できようが両者の哲学は全く違うと思う）。