4週目

の日仏セミナーから漸く参加者として積極的に関わった印象がある。特にトークをして、その評判が上々であったことが大きい。勿論中心的テーマがガラス転移やジャミング転移であり、僕の研究テーマとマッチしたことも大きい。フランス人を中心に楽しく議論をして食事をすることが出来た。やはりZamponi-吉野のレプリカ解析が一番大事であろう。

3週目

はquantum thermalizationの週であった。午前の面白いトークだけではなく、午後にはインフォーマルトークがあり、長期滞在者には悩ましいプログラムになった。体力のセーブのため、敢えてこの週の懇親会はスキップした。そのせいか、積極的に参加者と交わった印象はない。この週も金曜に一般講演(品川セミナー)があり、その前の週以上に準備に時間を割き、講演もそれなりに消耗したせいもある。

2週目

はCrooksのキャンセルもあって、9つの講演があった。全てがそれなりに楽しい講演であり、ある程度の交流もしたが、セーブをする意識が強く、この機会を積極的に議論に割けなかったのは今にして思えば残念な事であった。おまけに金曜の午前の講演が終わると同時に物性研に急行し、ガラス転移の研究会の3つのトークに参加し、翌日に講演するという忙しい日程であったため、準備も含めて集中出来なかったのは残念だった。ポスターも出すには出したが余り積極的に宣伝する気も起らなかった。

1週目

は興味を持って参加したが、他の週との独立性が強く、テーマ的にも今後研究する事はおそらくないであろうという判断をして、積極的な参加はしなかった。昼ご飯も日本人の気の合った手合いと取ることが殆どであった。

5週間の滞在型

が終了。基研に居る限りは何年かに一度、回って来る義務であるが、2009年以来の大事業であった。2009年に比べると様子が分かっているだけにだいぶ楽ではあるが、それなりに精力と長い時間の準備をかけた研究会

今回は如何に手を抜くかとコミュニティの関心を考慮して3つの独立なテーマの滞在型と2つの通常型の研究会(厳密にはSFSを加えて3つとカウントすべきであろう)を組み合わせた。

それから

程無く(2011年の春?)に止せば良いのにNatureにsubmitし、速攻で断られ、Scienceにsubmitし、ある程度の時間をかけてrejectされ、Nature Physicsに出し、断られ、の繰り返しで、(私自身の計算自体は大昔で思い入れもない事もあり)論文は何時しか忘却の彼方になってしまった。(私はPREにでも出せば良いのでは、と意見したのだが、狙い過ぎなNikolaiは聞く耳を持たなかった。)しかし、Juergen Schmidtを中心に粘り強く努力を続けた結果、こうしてPNASの論文として陽の目を見る事になった。最終稿までは修士論文が引用されていたが、結局editorの判断でそれが落とされたのは少し残念ではあったが、やれやれという処であろう。

しかし

サイズ分布の計算が話題に上る事なかった。ところが、2010年のこの会議でのNikolaiの発表が波紋を呼んだ。実際には彼の昔の研究を含んだ2008年のAnnaの発表に私の計算を加えただけだったのだが、私の名前のクレジットはなく、NikolaiによるとPaul Krapivskyに計算をして貰ったとのことであった。その場が凍り付くような雰囲気になったのは言うまでもなく、第3者から、後々でもどうなったと聞かれる始末であった。結局、Nikolaiが事情を聞いてきたのでAnnaに送ったファイルを再送し、そのクレジットを認めた形で共著として論文をまとめることになった。